乗客ら107人が亡くなったJR宝塚線(福知山線)脱線事故が起きた兵庫県尼崎市の現場近くで、今年も「生」の花文字(縦横とも約10メートル)が田んぼに浮かび上がった。2005年4月の事故から、25日で18年になる。
犠牲者を追悼しようと、地元の萩本啓文(ひろふみ)さん(69)が定年退職後の15年から毎年、ダイコンの白い花を咲かせている。10月に「生」の形にうねを作って種をまき、霜よけにワラをかぶせるなど手をかけて育てた。
09年から21年まで同様に現場近くの別の場所で「命」の花文字をつくっていた農家の松本三千男さん(87)とは知人同士。2人で「生命」のメッセージを発信してきたが、高齢の松本さんが活動をやめ、昨年から「生」のみとなった。萩本さんは「事故を風化させないよう、今を生きている人もこれから生まれる人も、花文字をみて思い出してほしい」と話す。(中塚久美子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル